具合が一向に良くならないので、前回とは別の病院へ行った。やはり喘息だったが、悪化しているようで、慢性型へと進行すれば一生治らぬという。前の薬はまるで効かないらしい。吸引器と専用のもっと強い薬を処方して貰った。このところ咳で満足に眠れていなかったので、改善すればいいなと思う。
改稿を終わらせなければいけない時期に、この体たらくで不甲斐ない。何だかんだでほぼ一ヶ月間をロスしてしまった。
行きつけの書店に、注文していた書籍が2冊届いていた。
一冊は北原美那さん推薦の『話の終わり』(リディア・デイヴィス)であり、もう一冊はパーカッショニストの村山政二朗さんから薦められた『リアルの倫理』(アレンカ・ジュパンチッチ)である。
現在シュペルヴィエル、ドールヴィイを再読しながら、ルーセルの劇作を読んだりしているが、諸々済んでからこれら二冊に取りかかろう。トーマス・ベルンハルトの幾つかの未読作品も積読したまま気になっているのだが、僕は読書のペースが速くはないので、気が向いたとき気が向いた本を読むくらいが性に合っている。
きのう坂上秋成君が ustream で朗読をした。僕は途中まで聴いていた。千葉雅也さんと佐藤雄一さん、ユリイカの明石陽介君が出演していた。すべて面白く (interese) 聴いたのだが、僕もペソアは好きなので、坂上君が朗読した詩を聴いて元気が出た。フェルナンド・ペソアは異名の詩人であって、たくさんの名前とキャラクターを持っている。徹底的な「なりきり」をしながら詩作したのだといっても、強ち間違ってはいない気がする。以前「羊飼い」という詩を(日本語訳から)Esperanto訳した。最後の節はこんな感じ。
Amo estas eterna purec' Nome estante nesci'
Sola purec' tio estas pensi nenion...
- Alberto Caeiro "Ŝafisto"
ペソアの異名とは性質が違うが、メアリ・ウェストマコットとかバーナビー・ロスといった名前が頭を過ぎる。なぜルイズ・ド・ラ・ラメーがウィーダなのか、とか、なぜウィラード・ハンティントン・ライトがS・S・ヴァン・ダインなのか、とか、考えると楽しい。そう考えると、フィリップ・K・ディックがその名のまま『メアリと巨人』などを書いたのは勇敢なのかもしれない。
Ja nur revo estas eterna kaj bela. Malgraŭ tio, kaj kial oni daŭre parolas kiel ĉiam.